
拠点名:鈴福ビル
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-24-15
竣工:令和5年12月
非常時における共用部分への電力確保
V2Hによる蓄電能力の補完
用途:共用部分電灯(1F-7F)
蓄電池:Li-ion 16kWh
EV(V2H):60.0kWh


建て直す前の鈴福ビル(旧鈴福ビル)は、建設されてから50年近く経過しています。 幸いにして旧鈴福ビルにおいては、建物の構造自体(耐震性や耐久性)については問題ありませんでしたが、設備の老朽化と維持管理が課題でした。 配管や電気設備、空調システムなどが古くなると、故障や事故のリスクが高まります。水道管の劣化による水漏れや、電気設備のトラブルによる火災などは、 建物全体の安全性に直接影響を及ぼします。
老朽化したビルの建て替えには多額の費用と時間がかかりますが、それでも長期的に見れば価値のある投資です。安全で快適な環境を提供することは、 テナントや利用者の業務の質を向上させるために欠かせません。古い設備を最新のものに更新することで、エネルギー効率や快適性の向上が期待できます。
現存する課題を総合的に判断し今回の建て替えとなりました。あわせて、平常時における全館通路灯やロビーの電灯、電子錠、インターホン等へ電力供給、 非常時における非常用コンセントの設置や必要最低限のインフラへに電力供給などが可能な太陽光発電常時電力供給システムの導入となりました。


まず第一に挙げられるのは太陽光発電と常時電力供給システム開発における実績です。 当社のニーズに応じた提案、設計、アフターサービスに至るまでが、一貫して高品質であることが大きな要因です。
太陽光発電やバッテリーの運用においても信頼を寄せています。 太陽光発電システムや蓄電池の導入運用においては、最新の技術と知識を駆使し、最適なソリューションを提供してもらっています。 環境に配慮した再生可能エネルギーの活用は、現代の不動産運用において重要な要素となっています。 これにより、エネルギーコストの削減や環境負荷の軽減が実現できるため、多くのテナント・住人から支持を受けています。
鈴福ビルは屋上面積が少ないという課題がありましたが、多彩なアイディアを提案していだきました。 限られたスペースを最大限に活用するための設計やレイアウトの工夫、さらには電気自動車(EV)の活用提案などです。 EVのバッテリーを蓄電用バッテリーの一部として活用することでイニシャルコストの大幅な引き下げが可能となりました。 これらの要素を総合的に評価し、今回のプロジェクトをお願いする運びとなりました。

常時電力供給システムの導入による効果は多岐にわたります。大きなところでは宣伝効果です。一般的には家庭向けのシステムとして認知されているV2Hを、オフィスビルに適用する取り組みは非常に珍しいため、技術的な革新性や先進性をアピールすることができています。実際に日経などの全国誌や業界系の新聞、TVなどの主要メディアが取り上げることで、広範な視聴者や読者に対してアピールすることができています。 エネルギーコストの削減からくる持続可能な社会の実現に貢献や災害時の非常用電源としての活用など、多方面から注目を集めています。メディアでの露出をはじめ、社会的認知度を高めることで、新たなビジネスチャンスを創出するきっかけとなるのではないでしょうか。
常時電力供給システムの導入はテナントの皆様から多くの好意的なフィードバックを頂いております。特に、災害時においても電力が利用できる防災ビルとしての信頼感が高く、テナントのみならず近隣地域からも高い評価を受けています。 非常時でも電源が使用できることが大きな安心感をもたらしています。

バッテリーの一部として導入したEVは建物のエネルギー供給源にとどまらず、普段の移動手段としても大いに役立っています。 今後、さらにバッテリー容量を増やすために、EVの台数を増やす計画があります。建築設備を大規模に改修することなく、容易に実施できる点が大きな利点です。 EV活用により、初期コストやメンテナンスコストも大幅に削減できました。これにより、経済的な負担が軽減され、テナントの皆様にも利益が還元されています。
今後も、持続可能で安全なビル運営を目指し、最新技術を積極的に取り入れてまいります。東光オーエーシステムにも設備やシステム面において新しい技術の導入提案を期待しています。